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Di 23.07.2024 07:14

結婚したくないけど、独身も嫌だ─韓国の「モダンファミリー」は女ふたり暮らし courrier.jp/news/archives/3712
伝統的な家族観が根強く残る韓国社会では、税金や住宅、保険などに関する政府の優遇措置はすべて「家族」向けに調整されている。その代わり、高齢の親族の介護など、社会福祉の多くを家族が担うことが期待されているのだ。

しかし近年では、多くの若者が結婚という制度を敬遠しているため、こうした家族中心のシステムは急速に崩壊しつつある。そこで、新たな家族の形を提案するのが、共同生活を送るファン・ソヌ(47)とキム・ハナ(47)だ。

米「ニューヨーク・タイムズ」紙によれば、彼女たちは、互いに恋愛感情はなく、ほかの人と恋愛関係にあるわけでもない。そんな女性ふたり暮らしの様子を綴った共著『ふたりで生きる』(未邦訳)は韓国でベストセラーになり、ポッドキャスト『ふたりで語る』は数十万人のリスナーを集めている。

法律上、韓国で「家族」と認められるのは配偶者、両親、子供だけである。だが、キムとソヌは自分たちのことを 「DIY家族 」と表現する。典型的な韓国の家庭も、独身生活も望まない女性にとって、彼女たちの生き方は選択肢のひとつだ。キムは、ニューヨーク・タイムズにこう話している。

「私たちの生活は、独身であることの自由と、誰かと一緒に暮らすことの利点を兼ね備えています」

元ファッション雑誌編集者のソヌは料理が好きで、元コピーライターのキムは皿洗いが好きだった。ふたりとも本を書き、猫を2匹ずつ飼っていた。おしゃべりが大好きだったふたりは、その才能をポッドキャストに生かし、本や映画から、不安の克服法や中年期の健康維持法まで、あらゆることについて語る。彼らは現在、作家兼ポッドキャスターとして生計を立てている。キムはこう断言する。

「40代で結婚していない女性であっても構わない。失敗した人生ではないんです」

シビル・パートナーシップ(法的に承認されたパートナーシップ関係)に関する本を書いたファン・ドゥ・ヨンは、「韓国の民主主義が多様性を受け入れることができるかどうかは、大きな課題」だと指摘する。韓国では、孤独死の件数が増えており、シビル・パートナーシップの導入が急務なのだという。

2022年におこなわれた韓国政府の調査によれば、同国の若者の81%近くが未婚の同棲を受け入れていると、ニューヨーク・タイムズは報じている。

ソヌとキムも、韓国がシビル・パートナーシップを導入することは避けられなくなってきていると話す。ソヌは、同紙にこうコメントしている。

「私たちが年をとる頃には、実現されているでしょうね」

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